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カラー電子ホログラフィ、カラー動画で実写立体像を撮影・再生
IT】発信:2008/12/19(金) 15:13:16  

〜理想の立体表示を、通常の照明であらゆる被写体対象に〜

  情報通信研究機構(NICT)は、通常の照明を用いて被写体を撮影し、リアルタイムでホログラフィによる実写立体像を再生して表示する「カラー電子ホログラフィ」を開発した。これまで、ホログラフィによる撮影はレーザー光を照射して行っていたが、今回の開発により、通常の照明の下で被写体撮影が可能となり、大きな物体やカラー動画による立体像の撮影・再生が可能になった。

  両眼の視差を利用するなどの立体表示方式は、人間の目に負担をかけ長時間の立体映像鑑賞などが困難である。これに対して、ホログラフィは写真乾板のような平面記録媒体に光の情報を記録し、その記録した光を自由に再生する技術であり、人間が通常している「物体から反射してくる光を見る」という方法である。

  そのため、それと同じ光を再生して、実際には存在しない物体がまるでそこに在るかのように見せることができるホログラフィは、自然でリアルな立体像が表示できる理想的な立体表示方式といえる。これまでは写真乾板に光の情報を記録して、静止画の再現を主に実施してきたが、動画の再現を目的に電子的手段でホログラフィを実現しようというのが電子ホログラフィである。

  しかし従来、ホログラフィの撮影は、暗室内で被写体にレーザー光を照射して行っていたため、大きな物体や風景、静物などの撮影は困難であった。さらに、カラー撮影では赤、青、緑のレーザー光を時間的に切り替えて照射することで色ごとに撮影していたので、動く被写体の撮影が難しかった。

  これに比べて今回開発した技術は、インテグラルフォトグラフィの撮影技術を応用したのが特徴である。インテグラルフォトグラフィは、多数の微小なレンズを並べて構成された複眼レンズを、記録、再生の両方に用いて立体像を表示する技術だ。

  今回は多数の微小レンズが並んだ複眼レンズと、テレビジョンカメラを組み合わせた専用カメラにより、被写体を通常の照明下で撮影し、その画像を高速演算処理してホログラム(光の情報を干渉縞と呼ぶ明暗パターンの縞模様に記録した媒体)を生成するシステムとして実現した。

  これにより、あらゆる被写体について、レーザー光を使わず、カラー表示用の3種類(赤・青・緑)のホログラムをリアルタイムで撮影できるようになった。また、表示装置では生成された3種類のホログラムを、それぞれ液晶パネルに表示して対応する色のレーザー光で再生し、再生光を合成して立体動画画像を表示できるようにした。

  まだ再生される立体像は小さくて視域が狭いという問題が残されているが、NICTでは今後、再生像の高解像度化や視域の拡大などに取り組み、3年後には再生像を約4倍に拡大して、4cm程度の立体像表示を実現したい考えだ。(科学、12月5日号4面)



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