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次世代全固体型リチウムポリマー電池、充放電特性を解析
【その他】発信:2009/03/12(木) 10:46:53
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〜安全・大型、長寿命化に貢献〜
東京工業大学大学院理工学研究科の中山将伸・助教は、脇原將孝・名誉教授、黒木重樹・特任准教授らと、リチウムイオン電池の次世代型として期待される全固体型リチウムポリマー電池の繰り返し充放電に伴う容量劣化が、電極と電解質の界面で生じる電解塩の分解反応が原因で起こっていることを突き止めた。全固体型リチウムポリマー電池は安全性が高く大型化が可能なため、電気自動車などへの適用が期待されているが、寿命が課題だった。今回の成果は長寿命化の実現につながるもので、実用的な電池の開発に威力を発揮する。ドイツの科学雑誌アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ電子版に2月18日付けで掲載された。
リチウムイオン電池は二次電池の中で最高のエネルギー密度があるため、携帯電話やノートパソコンなどの携帯電子機器に広く使用されている。しかし、可燃性の有機電解液を用いており、その危険性のため大型化は困難とされてきた。そのため、有機電解液を難燃性のポリマー電解質に置き換えた全固体型リチウムポリマー電池が提案されている。
これまでの研究では、ポリマー電解質のリチウムイオン伝導性が低いことを改善するため、さまざまな材料のイオン伝導特性が精力的に研究されてきた。実際、その研究過程でイオン伝導に優れた材料も多数報告されている。しかし、このような要素材料の研究が進捗してきたのに対して、今回の研究でターゲットとした、実際に電極と電解質を組み合わせて電池を作製して充放電特性を調べるような研究例は少ない。
また従来、電池の反応場である固体(電極)―液体(電解質)界面とは異なり、全固体型リチウムポリマー電池では固体(電極)―固体(電解質)界面が電気化学反応の反応場になる。したがって、基礎的研究の観点からも新しい固体―固体界面反応の知見は重要だ。
研究グループは今回、引火点が高温で安全と考えられる可塑剤ホウ酸エステルとアルミン酸エステルを添加して高いイオン伝導度を実現したポリマー電解質を使用。また電極には今後、大型電池を中心に導入が考えられる次世代オリビン型リン酸鉄を採用して全固体型リチウムポリマー電池を作製し、充放電特性を計測した。
特に、交流インピーダンス法、核磁気共鳴分光法、電子顕微鏡の技術を複合して、電池内で移動するリチウムイオンと対イオンの動きに注目。その結果、作製した全固体型リチウムポリマー電池で見られる容量劣化が電解質と電極の界面での対イオンの分解に由来することを特定することに成功した。
次世代全固体型リチウムポリマー電池の繰り返し充放電に伴う容量劣化が、電極上で生じる電解塩の分解反応と関連していることを突き止めたことは、研究例の少ない次世代全固体型リチウムポリマー電池の長寿命化を達成するために、重要な役割を果たす。
また、安全性に優れた次世代全固体型リチウムポリマー電池が実用化すれば、大型化が可能になり、将来的にはプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車、昼夜間電力平準化用の定置電源などにつながるものと期待される。(科学、2月27日号4面)
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