「産学連携」では、最近のテクノロジーの動向、企業・大学の技術開発の動き等をタイムリーに紹介していきます
|
|
|
植物概日時計とミトコンドリアに密接な関係
【バイオ】発信:2009/04/28(火) 13:15:11
|
理化学研究所はこのほど、植物代謝物の一斉分析によって、細胞内の概日時計とミトコンドリア機能とが極めて密接かつ頑健な関係にあることを突き止めた。同研植物科学研究センターメタボローム基盤研究グループの斉藤和季グループディレクター、福島敦史特研究員、草野都研究員、生産機能研究グループの榊原均グループディレクター、中道範人基礎科学特別研究員、名大院生命農学研究科の水野猛教授らによる共同研究成果で、「米国科学アカデミー紀要」オンライン版で発表された。
動植物の概日時計のシステムの解明は、主として遺伝子やタンパク質を調べる方法で進められてきた。しかし、代謝物レベルの振る舞いはほとんど不明で、概日時計の出力系を決めることが時計メカニズムを明らかにするうえで重要な課題となっている。
共同研究グループは今回、GC-TOF/MSと使ったメタボローム解析により、モデル植物であるシロイヌナズナの概日リズム消失植物体に対する大規模な代謝物の一斉解析を実施した。その結果、時計関連遺伝子PRR(疑似レスポンスレギュレーター)9、7、5の3つを欠損している変異植物体は、光条件や時間条件によらず、ミトコンドリアが担う代謝経路であるクエン酸回路に属する構成物質群が劇的に増加していることが判明した。
これは、時計関連遺伝子により産出される時計タンパク質が、ミトコンドリアの代謝物レベルのホメオスタシスに関与することを示している。概日時計システムとミトコンドリア機能との関連は、動物や菌類では示唆されていたが、植物での発見は初めて。こうした結びつきが生物界に広く存在する可能性が示されたことは、概日時計システムを進化の視点から理解するうえで極めて重要な知見になると考えられる。
また、植物の概日時計システムの理解が一歩前進したことにより、システムの制御が、ストレス耐性植物や有用物質生産植物の生産にも結びつくと期待される。一方、今回適用されたメタボローム解析が成功を収めたことは、この手法が、概日時計システムのような動的で複雑な生命現象の包括的理解において有用な戦略となることを証明している。(科学、4月17日号4面)
|
| |
知財情報局または情報提供各社による記事の無断転用を禁じます。
|
|
|
| Copyright 2002 Braina Co., Ltd. All Rights Reserved.
|
|