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論文の電子投稿、低コストでシステム導入、アトラスが提供開始
IT】発信:2009/05/12(火) 19:25:30  

  (株)アトラス(電話03−5642−9300)は、日本の学協会向けに、世界標準となっている論文の電子投稿審査システム「エディトリアル・マネージャー」の提供を開始した。学協会自らが電子投稿審査システムを構築した場合、数千万円の費用が必要になるが、このシステムでは初期費用が50万円からで、年間運用費用は投稿数に応じて決まるため、低コストで独自のシステムを構築できる。規模の小さな学協会でも導入できるのため、雑誌の電子投稿審査に拍車がかかりそうだ。

  学術雑誌の論文投稿審査は、もともと紙で投稿された原稿をコピーして、編集委員や査読者に郵送することで行われてきた。最近は、メールでpdfファイルを送るという形態が増えているが、郵送やメールでの投稿審査は、投稿数が多くなると担当者の勘違いやミスも起きやすく、さらに返事の遅い査読者を督促するなどの進捗管理も非常に手間がかかる。そこで投稿原稿の流れを完全に管理する電子投稿審査システムに関心が集まっている。

  電子投稿審査システム「エディトリアル・マネージャー」を使うと、研究者はインターネットから簡単に論文を投稿でき、編集事務局、編集長、担当編集委員、査読者などは論文審査作業をインターネット上でスムーズに行うことができる。審査にかかる時間を大幅に短縮できるほか、海外からの投稿を増やすことができる。さらに日本語の入力も可能だ。

  具体的には、研究者はウェブ上の画面から投稿票へ論文名、著者名、抄録などのデータを入力し、論文原稿をアップロードする。アップロードされた原稿は自動的にPDFに変換され、各雑誌の審査フローに従って、編集事務局・編集長・担当編集委員・査読者などに電子的に回覧され、審査が行われる。採否決定もウェブ上で行われる。

  著者、編集事務局・編集長・担当編集委員・査読者の間の連絡は、システムが送付する自動電子メールで行われる。投稿から採否決定までの審査状況は、事務局や編集長が監視でき、遅れが生じた場合は自動または手動で督促できる。

  審査の際、論文の内容に基づいて適切な査読者を探すのは容易ではないが、システム内に査読者データベースを持つことで半自動化できる。必要に応じて投稿者も自動的に査読者として登録できる。

  また、投稿・審査・採否の統計データは簡単にウェブから入手できるため、編集委員会などでの報告にも活用でき、事務局の手間を減らすことにもなる。さらに学術雑誌毎に異なっている査読審査フローにあわせた柔軟なカスタマイズが可能で、短期間に導入できるため、導入コストを大幅に減らすことができる。

  エディトリアル・マネージャーは、米国アリエス・システム社が提供するシステムで、世界最大の学術出版社エルゼビア社で正式システムとして採用しているほか、米国化学会など欧米の多くの学協会や学術出版社の3000以上の学術雑誌で利用されている。国内でも、粉体工学会、日本生物工学会、日本バイオレオロジー学会、日本超音波医学会、日本肝胆膵外科学会、日本生態学会、日本衛生学会などが、エルゼビアやシュプリンガー経由で利用している。

  今回、アトラス社が国内の学協会向けに提供を開始したことで、大手出版社を経由しなくてもエディトリアル・マネージャーを利用できるようになり、比較的規模の小さな学協会においても電子投稿審査システムを低コストで導入できるようになった。システムの導入で学術雑誌の国際的評価が上がれば、日本の国際競争力を高めることにもなるため、今後の展開に注目が集まる。(科学、4月24日号5面)



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