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手で持てる箱の中の立体映像、NICTが夢の技術を実現
【IT】発信:2009/05/14(木) 15:22:49
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〜空中映像を指で触り動かす〜
情報通信研究機構(NICT)は、10cm四方の箱の中に裸眼で観察できる立体映像を再現するキューブ型3Dディスプレイ「gCubik」を開発した。また、鏡の中に映る像(鏡映像)を何もない空中に浮かぶ空中映像として結像させることができる、NICT開発の光学素子を用いて、空中映像に指を触れて操作できる「フローティングタッチディスプレイ」を開発した。いずれも、遠い先にある未来の映像と思われてきた技術が、すでに現実のものになりつつあることを示した成果である。
NICTでは、特別なメガネ等をかけずに裸眼で立体映像が観察できるディスプレイの技術開発に加え、立体ディスプレイを利用する場面の検討を通じて、近い将来における立体ディスプレイの普及へ向けたシナリオの提案などに取り組んでいる。
その一つとして提案しているのが、キューブ型の裸眼立体映像ディスプレイ「gCubik」である。これは手が届く範囲の近い距離で、人と人とのコミュニケーションを支援するためのツールとしてデザインした、全く新しいコンセプトの3Dディスプレイ。
今回は「gCubik」の6つの面すべてに、裸眼で観察可能な立体映像を表示し『箱の中に立体映像が存在する』という、提案当初のコンセプトを初めて具現化した。
これまでのシステムでは、提案する立体映像の再現手法に関する原理実証を目的に、キューブの一部に見立てた3面に立体映像を表示していた。その成果を基に、今回はレンズの再設計や配列を工夫し、従前と比較して明るさで3倍、解像度で1.4倍という立体像を実現し見やすくした。
また、3Dディスプレイ部には極力制御基板等を配置せずに小型化することにも成功し、大きさ10cm四方程度の立体映像を、重さ950gの「gCubik」の中に映し実際に手に持てるようにした。
さらにディスプレイ部の各表面にはタッチパネル、内部には姿勢と加速度が計測できるセンサやスピーカを取り付けて、簡単な立体映像とのインタラクションができるようにした。これにより、次の段階である立体映像を見せ合うなどのコミュニケーションツールへ向けた議論や、アプリケーション開発が可能となる。 一方、NICTでは次世代の知的環境・生活環境を実現するための、ユニバーサルインターフェース技術の研究開発を進めている。
空中映像に指を触れて操作できる「フローティングタッチディスプレイ」は、その開発成果である。
これまでに提案されている空中映像表示システムでは、上下左右の視点移動に対し空中映像の変形や移動を抑制しながら、解像度を十分確保し、かつ平面上に浮かばせるということは困難であった。そのため実在感が薄く、空中映像の操作を行っても実感がないものであった。
今回の「フローティングタッチディスプレイ」では、平面に配置したNICT開発の光学素子により、素子下部に配置した液晶ディスプレイの画面を空中に映像として浮かせつつ、ガラスなし赤外線タッチパネルによって、空中映像を触る指先位置を検出している。
この技術によって、上下左右に視点が移動しても、正にそこに実在するかのように完全静止した空中映像表示を可能とし、その空中映像に指で触れて操作できるようにした。空中映像であるため、触覚はないが、その実在感は非常に高いものとなった。
この技術は今後、例えば医療等で手が汚せない、また料理等で手が汚れたままでも触れる、タッチディスプレイなどに応用できる。現在は光学素子のサイズが小さく、表示可能な空中映像の大きさに制限があるが、原理的な問題ではなく製造技術的な問題であることから、今後、製造技術の開発を進め、3年後には人間の等身大映像の表示の実現を目指す。(科学、4月24日号4面)
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