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大学の研究支援体制整備へ、研究支援者雇用を援助
【その他】発信:2009/06/01(月) 12:02:48
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文部科学省は、研究中心大学の研究支援体制を整備するため、50人程度の研究支援者を2年間雇用するための財政支援を行う。補正予算成立後に公募を開始し、7月には支援対象大学として50大学程度を決定する予定。日本の研究支援者数は欧米に比べて少なく、研究者自らが研究費の申請や管理、実験用設備の保守・運用などを行っている。こうした状況を改善し、世界トップ大学と競争していけるような研究体制を整備するのが狙い。
日本の大学が教育研究を高度化し、世界の著名大学に伍して国際競争力を高めていくためには、年々負担が大きくなっている大学教員の教育研究業務を支援する体制を構築し、大学教員はもちろん博士課程学生や若手の研究者等が安心して研究に専念できる環境を整備することが喫緊の課題となっている。
日本の研究者1人あたりの研究支援者数は0.18人で、ドイツ0.74人、フランス0.72人、イギリス0.82人などと比べて明らかに少ない。科学技術政策研究所が日本の代表的な研究者・有識者に行っている意識調査でも、研究支援者の状況は著しく不十分だという結果が出ている。
また、多くの大学では競争的資金による研究プロジェクトの申請段階から、プロジェクト管理まで、そのほとんどを教員自らが実施している。大型プロジェクトの場合には、学内研究スペースの優先配分や運営支援スタッフの配置などが行われているが、支援スタッフの配置はプロジェクト始動後であり、技術的支援、管理面での運営支援は十分に機能していない。さらに海外の大学研究機関との橋渡しができるコーディネータ、知的財産権管理や産学官連携のためのコーディネータも足りない。
一方、米国には、競争的資金などの外部資金の獲得・管理を中核として、法令遵守や産学連携部門との調整など研究管理全般の業務を行うリサーチ・アドミニストレーター(RA)が15万人いる。例えば、スタンフォード大学RA事務局には121人が雇用され、スポンサーに対する間接経費の策定・申請・交渉、外部資金研究の受託後のマネジメントと他部局との調整、研究用の施設の整備・維持・管理などを行っている。こうした充実したバックアップ体制は米国の競争力につながっている。
こうしたことから、特に研究を中心に展開する一定規模の大学で、研究技術支援や研究運営支援等の研究支援業務に従事するアカデミックスタッフを大幅増員し、大学の人的支援体制を整備する必要がある。
今回の教育研究高度化のための支援体制整備事業では、博士課程入学者数、科研費採択実績等で応募資格を満たす研究中心の一定規模の国公私立大学において、学内の有力な教育研究プロジェクトの高度化を達成する可能性のある取り組みを選定する。大学内の選定結果に基づいて、大学は重点支援のための計画を文部科学省に提出。文科省で計画を審査した上で、各大学への交付を決定する。
具体的な取り組みとしては4タイプを想定している。観測機器、実験用設備等の充実を図るとともに、それらの設備の保守・管理、実験室の整備、実験用備品の調達、保守、管理等のマネジメントを行う研究技術支援型。外部研究資金の申請、管理の支援、契約書等の法務事務処理、研究の広報(HP、プレゼン資料の作成等)、外部評価等のデータ作成などを行う研究運営支援型。外国大学との提携支援、海外研究者、留学生の受け入れ業務、国際シンポジウム等の開催支援など国際対応支援型。キャリア・アドバイザー、企業と連携してカリキュラム開発、インターンシップのマネジメント等を行うキャリア・支援型。
各大学は、学内有力プロジェクトに応じた規模で3年間の具体的な取り組み計画を策定する。事業費として300億円を補正予算に計上しており、1大学あたり約6億円程度を配分し、研究支援者の雇用や研究設備の購入などにあてる。また、繰り越し明許費になっていることから、来年度末までの約2年間は今回の事業費で賄えるが3年目は各大学独自に財源を確保しなければならない。文科省では、今回の事業によって研究支援体制を構築し、さらにこの実績をベースに運営費交付金や私立大学補助金の配分につなげていこうという狙いもある。(科学、5月22日号1面)
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