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伸び縮みする有機ELディスプレイ
ナノテク】発信:2009/06/04(木) 11:55:34  

  東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授、関谷毅助教、大日本印刷梶A理研基幹研究所、産総研などの研究チームは、有機ELを用いた伸び縮みするディスプレイの作製に世界で初めて成功した。ネイチャーマテリアルズ・オンライン版に5月11日掲載された。

  壁や日常的に使う様々なモノの表面が電子化している社会、このようなユビキタスな社会を実現するには、伸縮性があり曲面でも性能を失わず稼動するエレクトロニクスが必要だ。

  研究チームでは、ディスプレイに電圧をかけると自発光する有機EL素子と電子スイッチの有機トランジスタなどを組み合わせたディスプレイを作製、その配線に今回開発した印刷可能な伸縮性導体を利用した。

  キーとなる伸縮性導体は、単層のカーボンナノチューブ(CNT)をイオン液体でほぐして、共重合体のフッ素ゴムと混合したもの。以前は材料の粘性が低く、シートの上に印刷できなかった。今回、CNTとフッ素ゴムを、従来の超音波による混合法でなく、ジェットミル法という高速ジェットで混合する方法を利用して、高粘性で印刷可能な材料の開発に成功した。

  この材料は、CNTがフッ素ゴム中に均一に分散することで、ナノスケールで導電性のネットワークを構築している。従来は混合の過程で、CNTの長さが短くなり導電性が下がっていたが、今回の混合法では長いまま、さらに均一に混ざることで使用するCNTの量を少なくできた。

  この伸縮性導体は、ゴム状の弾性体では、世界最高導電率102ジーメンス/cmを実現、さらに伸縮率は118%で、発光強度は、銅配線と比較して10%しか減少しない。スクリーン印刷で簡便に微細パターンを作ることができる。今回、ゴムシートの上に印刷し、配線を100μm精度で印刷した。

  試作したディスプレイのサイズは10×10平方cm。有機EL素子1つ、有機トランジスタ2つ、キャパシタ1つで構成される一辺5mm、厚さ1mm弱のパーツを1画素とし、縦横に16個ずつ配置、伸縮性導体で配線した。この状態で1000回程度、30〜50%引き伸ばしても機械的・電気的な劣化がない。

  今後さらに、他の材料を使うなどして厚みを薄くできる可能性があることから、曲面、可動部におけるディスプレーのフレキシビリティ向上などが期待される。ディスプレーの大画面化や低消費電力などでも、有機ELは優れていることから、大画面化も進めていくという。(科学、5月22日号4面)



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