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温度応答性ポリマーを利用、都市鉱山から金銀回収
その他】発信:2009/06/12(金) 16:22:07  

  茨城大学工学部生体分子機能工学科の五十嵐淑郎教授、博士前期課程1年の伏木貴法さん、丸善石油化学らの研究グループは、温度応答性ポリマーを用い、ろ過と温度調整だけで精密機器中の金や銀などの金属粒子を回収する方法を開発した。ポリマーは再利用可能。第70回分析化学討論会で発表された。

  大量に廃棄されるパソコンや携帯電話の回路等に金などの希少金属が使われているため、ゴミとされていた廃棄精密機器が『都市鉱山』として、近年注目を集めている。一般に、廃棄携帯電話等からの希少金属の回収は、それを含む電子部品を酸溶液などで溶解・液状し、電解法か溶媒抽出法で大雑把に分離回収している。資源の乏しい日本では、高効率で安全な精密機器からの希少金属回収の方法の開発が期待されている。

  研究グループは、溶液温度の変化に伴い親水性/疎水性の相転移を示すポリマーである丸善石油化学製の『Poly(MOVE)s』を用い、66種類の金属イオンとの相互作用を調べた。実験では、Poly(MOVE)sを0・05c解かした水溶液と、各種金属イオンを含んだ溶液を混合し、総体積20_gで均一状態のサンプルを作製した。すると、金、銀、銅イオンだけが65度C以上の温度で、液状の析出相を作ることを見出した。さらに、温度を室温まで戻すと析出相は消えて、金と銀は粒子化した状態で沈殿する。それをろ過し、フィルタで捕集した。

  回収率は金で96%、銀で42%、銅は3%。Poly(MOVE)sは、均一状態ではフィルタに捕集されないため、希少金属回収後、再利用できる。また、有機溶媒を全く用いていないため、生体や環境にも安全だ。

  五十嵐教授は「これまでの温度感応性ポリマーの研究は、金属イオン同士の分離の基礎研究がほとんどでした。回収法や使用したポリマーのリサイクル法まで実用化に向けて踏み込んだ研究は私たちの研究が初めてだと思います。この回収システムを『g−MOVE』と名付けました。すでに、モデルサンプル(携帯電話の電子基盤構成成分を含む試料)では金・銀の特異的な分離回収に成功しています」と語る。(科学、5月29日号4面)



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