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臨床研究や橋渡し研究を強化へ提言まとめる
その他】発信:2009/06/23(火) 15:20:57  

  臨床研究や橋渡し研究を強化するため、今後10年程度を視野に入れて、重点的に取り組むべき分野や早急に取り組まなければならない施策について、健康研究推進会議アドバイザリーボード(委員長=永井良三・東京大学大学院医学系研究科教授)が提言をまとめた。科学技術担当大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、経済産業大臣等で構成する健康研究推進会議は、今回の提言をベースに、7月始めには健康研究推進戦略を決定し、来年度予算や規制改革につなげていく。

  臨床研究に関する主要な医学雑誌(ランセットなど)に掲載された論文数は、平成14年から19年の間で、米国2677件、英国873件、ドイツ343件に対して、日本は74件と臨床研究の活力が低い。一方、基礎研究については、主要雑誌(セルなど)に掲載された論文数は同時期で、米国2674件、英国314件、ドイツ442件に対して、日本は369件であり、欧州とほぼ同等だ。

  日本発の医薬品が世界売り上げランキングトップ100位以内に14品目入っているが、うち9品目が再来年には特許切れになる。しかし、欧米ではバイオ医薬品の開発品目数が増加しているのに対して、日本は伸び悩んでおり、有望な新規医薬品の研究開発の強化が必要になっている。医療機器についても、貿易収支が18年度で約6000億円の輸入超過となっており、研究開発基盤の強化が求められている。

  日本が、ライフサイエンス研究の成果を、新しい治療法や医薬品・医療機器に活かせずにいるうちに、欧米諸国では次々と臨床研究等が進んでおり、彼我の差はますます大きくなっている。このままでは日本の産業競争力が低下するばかりでなく、将来、医薬品等を全て輸入に頼らなくてはいけなくなるかもしれない。

  こうした状況を打破するため、関係4大臣と有識者で構成する健康研究推進会議が昨年8月に発足、11月にはスーパー特区を指定して、健康研究(橋渡し研究・臨床研究)の推進に取り組んできたが、研究をさらに加速するため、今年2月にアドバイザリーボードを設置し、健康研究推進戦略策定に向けた提言について検討してきた。

  提言では、再生医療や人工臓器・組織の開発など10年先に目指すべき健康研究の成果を示した上で、ここ3〜5年で早急に取り組むべき課題をあげた。

  具体的には、文科省や厚労省で整備してきた橋渡し研究・臨床研究拠点について、研究施設や研究資金、人材などの研究資源の拡充・強化を図り、ターゲットを明確化した特色ある拠点として重点化するとともに、拠点以外の研究機関等との共同研究や研究支援を行う。また民間企業とも連携を深め、開発シーズを誰もが活用できるオールジャパンの開かれた拠点として整備する。拠点間の連絡協議会の開催、ネットワーク化・IT化を進め、国際共同研究も推進。さらに疾患別のオールジャパンの研究グループを充実し、研究拠点とそのネットワーク等を活用した臨床研究を推進。

  橋渡し研究・臨床研究に従事する人材の確保・育成に向けた体制整備を行う。特に、再生医療や医療機器の臨床研究のための医薬工が融合した領域の人材を確保・育成。研究機関、企業、審査機関における人事交流を活性化させ、入り口から出口までを見通せる人材の育成。

  個人情報の保護に十分配慮した上で、大規模疫学調査に超高速遺伝子解析技術やオミックス研究等を融合した研究を実施し、病気のメカニズムの研究、これらに基づく医薬品・医療機器の研究開発等を推進し、絶え間ないシーズの発掘に向けた体制整備を行う。また診療情報等の利用系システムに関するモデル事業を関係省庁と連携しつつ実施するとともに、健康研究や安全対策等での活用に向けたデータベースの整備。

  新たな成果を取り入れつつ、医薬品・医療機器等の有効性や安全性の評価等を迅速に行う研究を推進するなど、レギュレトリーサイエンスを推進。

  さらに実用化をスピードアップするため、臨床研究における補償保険の活用、保険診療との併用を可能とする医師主導治験やほとんど活用されていない高度医療評価制度の活用、ガイドラインの整備などを行う。また、臨床研究を進める上で重要となる国民理解を推進するために取り組む。

  今回の提言をベースに各省での協議が行われ、7月始めには4大臣による健康研究推進戦略が取りまとめられるため、今回の提言は戦略の主要部分になる。また、関連施策については、概算要求前に総合科学技術会議の事前評価を受けた上で、8月中旬にも健康研究概算要求方針に盛り込み、SABC評価でも高く評価されることになるという。(科学、6月12日号1面)



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