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タヒチの化石サンゴを解析前々回の氷期終焉期決定
その他】発信:2009/06/25(木) 15:49:03  

  東京大学海洋研究所の横山祐典准教授、オックスフォード大学、フランス地球科学研究所の研究グループは、タヒチ沖で掘削したコアに含まれる化石サンゴを解析し、前々回の氷期終焉期(氷期の最も寒い氷期から間氷期に移ろうとする時期=ターミネーション)が約14万2000年前から始まったことを決定した。サイエンス5月29日号に掲載、熱帯サンゴが表紙を飾った。

  地球は、これまで数回の氷河期を経験しており、現在は、約1万年前から始まった氷河期のなかでも温暖な間氷期にあたる。地球の気候システムにおいてターミネーションは重要な環境変化を起こす。研究グループでは既に、前回のターミネーションが1万9000年からスタートしたことを突き止めている。しかし、前々回のターミネーションの開始時期は正確に決定されていなかった。今回の研究では、その時期を決定するとともに、移行期の日射量変動や海水準変動、大気中二酸化炭素など表層の環境変化について時系列での復元に成功した。

  年代の決定には、5万年前までなら測ることができる放射性年代測定法は用いず、サンゴによるウラン/トリウム年代測定法を利用し、全球の氷床変動の指標にした。コアは国際統合深海掘削計画(IODP)で、この計画では化石サンゴを掘削したのは初めて。

  過去7、8回、約10万年周期で氷期から間氷期の気温や大気中二酸化炭素濃度の変動が起きている。この変動は、地球の公転軌道の変化や自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の傾きなどにより、日射量の緯度分布が変化して起こるとされている。特に北緯65度における夏の日射量変動の周期的な変化が重要となる。この仮説を使うと、夏の高緯度の日射量が大きくなることで、氷床が融解、海水準上昇し、間氷期に移行すると考えられる。

  今回導き出した、前々回の氷期終焉期のタイミングは、仮説で重要視されている北緯65度における夏の日射量の極大期ではなく、極小の時期と重なる。また、海水準と大気中二酸化炭素濃度の上昇がほぼ同時期に起きていることも明らかになった。

  これらの知見により、地球環境のシミュレーションの精度を挙げるための地球環境の複雑な仕組みの1つを解くことができた。横山准教授は「北半球の日射量が小さい時にターミネーションを迎えたという発見は、気候モデルの制約条件として重要です。気候モデルは近年、高精度の予測が可能になりつつありますが、まだ不確定さを持っています。例えば今回、ターミネーションの時期が判明したため、過去の気候変動のタイミングと規模を正確に求めることで、当時の日射量分布と大気二酸化炭素濃度を入力して、果たして氷床をとかす事ができるかなどの実験を行う事ができます」と語る。 (科学、6月12日号4面)



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